ほとんどの日本企業に戦略がない(マイケルEポーター)

ほとんどの日本企業に戦略がない 

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 日本は、継続的改善を真っ先に取り入れ、業務効果の領域で世界的な革命をおこした。その結果、日本製造業は長きに亘って、コストと品質の両方で優位性を享受してきた。

 しかし、日本企業が、本稿で論じるような”戦略ポジション”を明確に確立したことはめったになかった。ソニー、キャノン、セガなどは例外。

 ほとんどの日本企業は、互いにまねし、押し合いへし合いをしている。各社とも、ほぼあらゆる種類の製品、機能、サービスを提供しており、またあらゆる流通チャネルに対応し、どこの工場も同じようにつくられている。このような日本流の競争については、その危険性が理解され始めている。

 共倒れを招きかねない戦いから逃れようというのであれば、日本企業は戦略を学ばなければならない。そのためには、打破しがたい文化的障壁を乗り越える必要がある。

 日本はコンセンサスを重視することで知られ、個人間の違いを強調するより、むしろ調整する傾向が強い。戦略には厳しい選択が求められる。日本人には顧客から出されたニーズすべてに応えるために全力を尽くすという、サービスの伝統が深く染みついている。

 このようなやり方で競争している企業は、そのポジションがあいまいになり、あらゆる顧客にあらゆるものを提供するはめになる。

 ハーバードビジネスレビュー20116月号 マイケルEポーター戦略と競争優位 P65

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 マイケルEポーターは、現在の日本の置かれている状況を、的確に捉えており、大変参考になる。この雑誌の翻訳は、簡潔で理解し易い。