品質でも中国に抜かれる寸前となった日本 世界標準化も蚊帳の外に~品質立国の幻影(1)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34599
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34600
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34823
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34957
の連載で、品質立国日本も、急速にその土台が揺るぎ始めているとの事実が突き付けられている。日本は、戦後、安かろう悪かろうから抜け出ようと、デミング賞を目指し、品質改善に取り組んだ時期があった。しかし、日科技連の横暴、怠慢もあって、大手では、1980年代から急速に、デミング賞離れ、QCサークル離れが進んだ。その渦中にいた私の体験でもある。
このブログでは、筆者の現場の豊富な体験を踏まえ、たくさんの事が述べられているが、私としては、以下のポイントが気になった。
・契約社員や請負会社に任された国内の製造現場では、責任者を務める正社員が彼らに対して“直接指導”を行うことがままならないという事情がある。
・もともと企業内活動であったシックスシグマは近年、中国、韓国、シンガポールなどでは国策として推進されるほどメジャーかつ汎用化が進んでいる。しかし日本国内においては導入企業数が限られ、啓蒙も不足しており、広くは認知されていない。
・年に1度、シックスシグマだけをテーマにした大会を開いているんですが、去年、南京市でやったそれには約600人も集まりましたから。例えば私が日本で同じテーマのセミナーをやっても、10人集まるかどうかですよ(笑)。日本国内では、もう悲惨なくらい関心が低い。
要は、圧倒的な人件費の安さで、製造の海外展開が進む中で、日本の製造現場の品質管理の空洞化が進んだ。一方、中国、韓国、台湾では、日本の品質管理を必死に学び、今は最先端のツールであるシックスシグマで世界をリードしようとしている。
日本がアメリカに学び、アメリカの製造業を衰退化させてきたことと同じことが、既に製造業の品質管理の世界で大きく進展している。
もはや、同じ道には戻れないが、歴史に学び、この状況、この経験を踏まえ、21世紀の知識社会にどう生かして行くか、真剣に考えなければならない。
先人たちの築いた「品質」の上に胡坐をかいているわけにはいかない。
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