山田真哉さんの書いた「経営者・平清盛の失敗」が面白い。

元々歴史学者を目指して進学するも断念して公認会計士になった方なので、歴史についての素養がある方なのでしょうが、経済的な視点から平家の滅亡の原因を解き明かしたところが面白い。

通貨が平家を滅ぼした!と、帯に書いてあるので、それが結論でもいいと思うが、私が気づきを頂いたのは、日本の通貨の歴史である。

和同開珎をはじめとする朝廷が作った12種の貨幣「皇朝十二銭」が廃れて使われなくなったのが900年代後半。以来、物々交換の200年を経て、外国通貨「宗銭」が流通、戦国時代まで約400年間使われた。江戸時代になってから自前通貨が使われるようになった。自前通貨の歴史って、意外と新しいのですね。

*因みに今何かと話題になるギリシャの通貨:ドラクマが生まれたのは、紀元前600-700年頃とのこと。

 

通貨の話し以外では、894年の遣唐使の廃止は、江戸時代より前に起きた鎖国である。歴史は繰り返してきているのですね。

又、平清盛は、博多から京都まで、宗の船が通れるように港湾整備を行って、宗との経済交流を図った。明治維新までは九州が世界の玄関、博多―瀬戸内海―京都の歴史を掘り返していくと、面白いことがたくさん出てきそうで、興味が付きませんね。